As We Fly...

HydroplaneHydroplane
Kristin Mooney

2007-10-23
売り上げランキング : 325785

Kristin Mooneyの2007年リリースの3rd『Hydroplane』を久々に聴いてみました。
彼女は1967年ミネソタ生まれのSSW。幼い頃から、兄弟の影響で音楽に触れる機会の多い環境だったと言う話です。Gram Parsonsのトリビュートコンサート(Norah JonesやKeith Richardsが参加しているヤツね)にSin City All Starsのメンバーとしてコーラス参加しています。確か、この人のアルバムに最初に手を出したキッカケが、これだったような気がします。
98年に『Living Alone』でデビューし、04年にセルフタイトルの2ndをリリース(デビュー以前、カリフォルニア移住前は、Peter HimmelmanやMartin Zellerと言ったミネソタを拠点に活動するSSW達のバックコーラスとして活動していたらしいです)。2ndは、Joey Burnes・John ConvertinoのCalexico勢を交え、旦那のEric Heywood(この時点で夫婦だったのかは不明ですが)と共にアリゾナで録音した作品でした。アリゾナのこの周辺のミュージシャン特有の埃っぽさで化粧を施したサウンド、北国育ちのKristinのクールな歌声が絡みあった、中々の佳作でした。余談ですが、元々、バックコーラス関係で飯を食っていた人だけに、今でもその手の仕事は引く手数多のようで、LucindaやCarrie Rodriguezの作品へも客演を行っています。
さて、本作ですが、Kristinと共にプロデュースを担当するのはJay Belleroseです。Belleroseと言えば、今やT-Bone BurnettやJoe Henryの作品には欠かす事の出来ない存在として、最近じゃ有名人(笑)。おまけに、ミックスを担当するのはRyan Freelandと来ましたよ。リズム隊は、ドラムは当然ながらBellerose、ベースはJennifer Condosが担当しています。鍵盤にPatrick Warrenまで登場して、チームJoe Henryの趣も(そういや、Eric Heywoodもそうか)。
何より、全編に渡ってEric Heywoodのスティール・ギターが聴けるというのも、個人的には嬉しいところなのです。再結成前のSon VoltやJay Farrar、Ray Lamontagneとの仕事が好きなんですよね。
熱量低めのクールに澄み切ったKristinの歌声や、互いに手の内を知り尽くしたミュージシャン同士の精緻な演奏が、クセになります。
ちなみに、本作は、2005年に亡くなったKristinとHeywoodそれぞれの父親に捧げられています。