Alastair Moock

Let It GoLet It Go
Alastair Moock

Corazong 2006-01-24
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アイオワに居を移した二年間を経て、本拠地ボストンへと舞い戻り、リリースされたAlastair Moockの4thアルバム(Cora Zong Recordsからリイシューされた物が、ボーナストラックが3曲追加されているようです…オリジナル盤から買いなおすかな)。本作は、彼のキャリアにおいて、サウンド面での力強さを最も感じさせる。プロデュースを務めた元Radio KingsのMichael Dinalloや、彼の繋がりからバックに起用されたMercy Brothersの面々によるところも大きいでしょうが、自身のボストンへの帰還を告げる快哉だと、私は思いたい。
Mark Erelliのハーモニカが印象的に鳴り響くM1「My Famous Leaving Song」。愛情・離別・死といったテーマを軸線上に置いて綴られる歌と、力強いバンドの演奏との間で発生するコントラスト。このオープニングトラックを耳にするだけで、このアルバムの価値が充分にあると思います。勿論、全編を通して良いのですが。ドブロが印象的に挿入されるM5「Red Ribbon Waltz」は、三割増しで曲が良く聴こえるワルツの魔力でしょうか、簡素ながら、美しいメロディに引き込まれる。Kris Delmhorstをバックヴォーカルに起用して、ロマンチックなムードが増幅されたような。そんな感傷的なムードを断ち切るかの如く、続くトラックのRev. Gary Davisのカヴァー「Death Don't Have No Mercy」では、ダーティな空気に一気にシフトする。ラップスティール・アコースティックギター・マンドリンを中心にした編成で、静かに、年老いた夫婦の姿を描くM8「Lovely Day」あたりも惹かれますね、やはり。