Will Hoge

buppy2007-10-20

Will Hoge 『Draw The Curtains』

ナッシュヴィルのバンド…というより、今はSSW・Will Hogeのソロユニットと言う解釈の方がシックリ来るか。とにかく、Will HogeのRykoからリリースの最新作。ワーナーに在籍していた頃は、何とも面白みに欠けるバンドと思いつつ、マイナー落ちしてからのリリース作品もチョコチョコと追いかけていた…面白みに欠けるなら追いかけなければ良いのにね(笑)。ちょっとしたオマケも付くとかで、オフィシャル経由で購入(予約分には、一ヵ月後ぐらいにライヴ盤が届くとか何とか)。
プロデュースは、『The Man Who Killed Love』から引き続きKen CoomerとCharlie Broccoのコンビがプロデュースを担当。前作ではパーカッションでの参加に留まったKen Coomerが、本作では全面的にドラムで参加。Ken CoomerからSwag繋がりでJerry Dale McFaddenが参加しているが、彼のハモンドアコーディオンの音(正確には本作において起用されているRami Jaffe・Reese Wynansを含む3人のハモンドの音)と、Coomerの太鼓が、青臭くもあり瑞々しくもあるHogeの曲を盛り立てる。彼のスタジオ作品中では、一番纏まりも良く、彼のキャリア上での最高傑作と言っても差し支えないのではと思わせる出来栄え。
M7「Midnight Parade」は、フィドルとラップスティールの交錯の中を、徐々に熱を帯びるHogeのヴォーカルが泳ぐ様に、70年代のスプリングスティーンの姿をオーバーラップせずにはいられないが、そのドライヴ感から生み出される高揚感が、細かい思考を掻き消す。ラストトラックの「The Highway's Home」なんて、もうクサいバラッドも良いところ。スーツケースにカラッポの夢を詰め込んでといったノリで…でも、何でだろう、無性に惹かれてしまう自分自身が存在するのです。全編そんな感じで、10代の頃の自分に出会わせてあげたかった、そう思わずにはいられない。