遣る瀬無いなぁ

buppy2007-09-15

Richard Shindell 『South Of Delia』

何だか仕事でガシガシと体力を削られているような気がします。そんな仕事の行き帰りに聴いていたのが、Richard Shindellの新作。全編カバーで構成され、Robbie Robertson・Bob DylanBruce Springsteenといった有名どころのカバーと共に、Jeffrey FoucaultやJosh Ritterといった現代のSSWの曲を同列で取り上げている(アルバムタイトルになっている『South Of Delia』は、本作で取り上げているJosh Ritterの「Lawrence, KS」内の歌詞から来ていると思われる)。
The Bandの「Acadian Driftwood」、Eliza Gilkysonをバックヴォーカルに起用したWoody Guthrieの「Deportee」、ボスの「Born In The U.S.A.」といった、追放をイメージする曲を取り上げる。一方で、ラストトラックの「Lawrence, KS」では、世の中に遣る瀬無さを感じながらも、そこから抜け出る事の叶わない遣る瀬無さの螺旋構造のジレンマが歌われる。おそらく、英語が第一言語だと、まるで抜け道のない迷路をさ迷うような閉塞感で押し潰されそうなアルバムだが、Lucy Kaplansky・Richard Thompson・Victor Krauss等のゲスト陣を適所に配したバックの音は、非常に完成度が高いのです。英語圏の人間よりも、私のような適当な日本人には、重過ぎず軽過ぎず良いのかもしれませんね(笑)。