雨の日の音楽

buppy2006-05-05

The Jayhawks 『Rainy Day Music』

冒頭のギターの音色が、前作・前々作の迷走を振り払うかのように鳴り響く。そこにはバンドの片翼だったMark Olsonの声はないけれど、確かにThe Jayhawksの音楽が広がっていた(『Hollywood Town Hall』や『Tomorrow The Green Grass』の持つ瑞々しさには、及ばないとしてもだ)。Chris Stills・Jacob Dylanといったミュージシャンがサポートする、プロデューサーはGlynn Jonesの息子Ethanが務める。本作には、昔から受け継がれる音楽が脈々と息衝いているんだ。
結果的に本作でジェイホークスとしての活動を休止してしまった為、世間一般から求められるジェイホークスのイメージを見せ、存在の肥大化したバンドとの決別を図ったとも考える事もできます(まあ、Mark Olson脱退後の『Sound Of Lies』の時点でバンド名を変えるべきだったという話もありましょうが)。本当は本作以降に、ライヴ盤(2003年頃のライヴ音源で、エレクトリックセットのものらしい)のリリースや1stのリリースがLost Highwayから行われるという話だったみたいですけどね…いつの間にやら立ち消え。
そんなGary Lourisも、Mark Olsonとのツアーや、様々なミュージシャンのプロデュースや共作など、多様な仕事をこなしつつ、直観と客観の狭間で、新たなSSWとしての胎動を開始している。あなたのソロレコードの到着を待っています。もちろん来日もね。