ボスの後継者

buppy2006-02-22

Rod Picott 『Girl From Arkansas』

今、日本で最も過小評価されているSSWと言えば、Rod Picottをおいて他にいまい。ガーフ・モーリックスのプロデュース、あるいは契約しているレーベルが準メジャーと言う事も幸いして、彼の盟友スレイド・クリーヴスは、日本でも一部ながら注目を集めている一方で、彼についてあまり触れられる事がないのは、何とも寂しい限り。何せ自主制作なので、日本では入手し辛いというのが、一番なのかもしれないが(とは言え、最近は日本のHMVにスタジオ盤3作共にカタログとして掲載されているのだけれど)。
と、この辺りの話はさておき、肝心のアルバム。『Girl From Arkansas』はスタジオ3作目で、ライヴ盤を除けば現行の最新リリース。必要最小限に抑えたオーヴァーダブ、隙間を活かした過不足なく聴かせる音は、ドラムのPaul Griffith(マインディー・スミス、ジョン・プライン、アリソン・ムーラー等々)や、ベースのDave Jacques(グレッグ・トルーパー、パティ・グリフィン等々)といったナッシュヴィルの精鋭に加えて、デビュー時からつるんでいるデヴィッド・ヘンリーとの好連携があったればこそ。
もちろん演奏だけでなく、ロッド・パイコットの曲の良さがあるから、心にガツンと来る1枚に仕上がっているのは言うまでもない。穏やかなメロディと彼の渋みの利いたヴォーカルの交錯が魅力的なM7「Down To The Bone」には、グッと引き込まれる。