Phil Lee

buppy2009-01-08

Phil Lee 『So Long, It's Been Good To Know You』

ナッシュヴィルを拠点に活動するSSW、Phil Leeの2008年リリースの3rdアルバムが到着しました。前作『You Should Have Known Me Then』が2001年リリースと言う事で、おおよそ7年ぶりの新作という事になりましょうか(コンピレーション作品への参加などはあったものの)。プロデュースは、デビュー当時からLeeの作品をプロデュースするRichard Bennettに加え、George BradfuteにLee本人を交えた三者による共同名義となっている(とは言え、Bradfuteは1stの頃から、エンジニアリングや演奏でLeeの作品へ関与しており、彼がプロデューサーに名前を連ねたと言っても、それがイコール新機軸という訳ではないのです)。
基本のバンドは、Phil Leeを中心に、Richard Bennett・Dave Roe・Ken Coomerという構成。曲によって、Duane Jarvisがギターで参加してみたり、Jimmy Lesterがドラムを叩いてみたり、Lee本人がドラムを演奏してみたりと、特に気負わずに、仲間をかき集めて演奏を行ったような空気が心地良い。鍵盤では、変わらずEric Holt(Allison Moorerのライヴ盤や、Jim Lauderdaleの昨年リリース作なんかにも参加してましたかね)が参加。Jim Hoke・George Bradfute・Fats Kaplinというマルチプレイヤー3名の参加は、本作の楽曲の表情をより豊かな物にしている。密かにPaul Burchがゲスト参加しているのも、嬉しい人は嬉しいところです(かなり限定されると思いますけど:笑)。
全体的に、抑制を効かせた音で、前作あたりの乗ってけパブロック的な感触よりも、フォークシンガー的な味わいが、やや前に出てきた印象か。彼の酒焼けしたような歌声で聴かせるWoody Guthrieの「So Long, It's Been Good To Know You」は、それを象徴しているような気がする…のは私の気のせいかもしれませんね(笑)。