The Band Of Heathens

buppy2008-12-25

The Band Of Heathens 『S.T.』

この盤に関しては、最初に書きたいことをつらつらと書き連ねてしまったので、改めて書けと言われると、ちょっと困るんですけど(笑)。引用と微修正で手短に(笑)。
さて、現在のHeathensは、Ed Jurdi・Gordy Quist・Colin Brooksの3名のフロントメンバーに加え、ベースのSeth Whitney、ドラムのJohn Chipmanという編成になっている。フロントの一角だったBrian Keaneの離脱(彼は現在ナッシュヴィルへと移り住み、ソングライターとしての道を歩んでいる)と、John Chipmanの参加が与えた変化は大きく、昨年末にリリースされたAntone'sでのライヴ盤で垣間見せた、よりタイトで結束力を増したバンドサウンドにシフトし、メンバーそれぞれの立ち位置が明確になったような気もします(ソングライティングやヴォーカルスタイルの違いが、器用なBrian Keaneが抜けた事で際立った感じ)。たまに、誤解のある日本語の解説があるので、訂正しておきたいのは、ベースのSeth Whitneyは結成初期からのメンバーで(実際、Momo'sのサイン入りブックレットにはSethの名前が入っているのですよ)、Momo'sの時のドラムはEldridge Goinsなんですよ。
本作のプロデュースを担当するのはRay Wylie Hubbard。プロデュースのキッカケとなったのは、彼のラジオ番組へのHeathensのメンバーの出演だったそうです。レコーディング中、彼はバンドメンバーから冗談交じりに"Vibe Doctor"などと呼ばれていたようですが(「もっとクールにやろう」みたいな感覚的言動が多い人らしい)、そういった良好な関係が両者の間で築かれた事が、若いバンドの熱量を奪う事なく作品を成立させる一助となったのかもしれない。
本作へ客演しているミュージシャンは、プロデューサーのRay Wylieがスライド・ヴォーカルで1曲参加しているのを始め、マスタリングエンジニアとして参加しているGurf Morlixが、1曲のみPump Organで演奏にも参加している(カメオ出演的で、いるのかいないのかぐらいの演奏)。その他、Stephen Brutonがマンドリンで2曲、Patty Griffinがバックヴォーカルで3曲といった按配(Gordy QuistとAdam Carrollの共作曲M3「Maple Tears」あたりでの歌唱は、さすが)。シーンの重鎮とも言える面々が名を連ねるのは、彼らがオースティンのシーン内に息衝いた存在である事の証明だろう。
そう言えば、オープニングトラックのハープ演奏者のクレジットが無いけど、アレはEd Jurdiですよね?