Anne McCue

buppy2008-12-06

Anne McCue 『East Of Electric』

Anne McCueの4作目(ライヴ盤をカウントすれば5枚目か)となるスタジオ作。2ndの『Roll』がリリースされた頃には、国内盤のリリースがあったりとプッシュがかかっていましたが、芳しい成果が得られなかったのでしょう。予想通りというか何と言うか、前作『Koala Motel』では、日本国内では見事にスルーされてました(John DoeやLucinda Williamsの参加等、それこそプロモーションにおけるセールスポイントは『Roll』以上にあっただろうに)。
それはさておき、本作ですが、録音はMcCueのナッシュヴィルの自宅兼スタジオのFlying Machineで行われている。マスタリングはRay Kennedyが担当。プロデュースと共に、ギター・マンドリンバンジョー・ラップスティール・ベース・ドラム・鍵盤と、各種楽器を一人でこなしての録音(The GreencardsのEamon McLoughlinなどの最低限のゲストは迎えてはいるが)。演奏を全て自身でこなしてというのは、現代においては、ことさら珍しい事ではない。それだけを求めるならば、巷に溢れる演奏自慢の作品を聴けばいいだけの話でして。Gurf Morlixをして離れ業と言わせてしまう程、彼女の本作での仕事は冴える。ラーガな臭いを漂わせるインストも含めて、40分に満たない時間の中、演奏を楽しみつつ、歌とメロディを置き去りにしない仕事は、もっと多くの人の耳に届いてもいいだろう。