Allen Thompson

buppy2008-08-02

Allen Thompson 『S.T.』

Chris Kroがアートワークを担当しているミュージシャンには気を付けろというのが、ここ最近の合言葉。Bobby JoynerやLeroyといったLA周辺のミュージシャン達は、その流れで遭遇しただけに。このAllen Thompsonの場合、アルバム以前にリリースされたEP『Highway』の頃からチェックしていたので、厳密に言えば、出会いが少し違うのだが、この際置いておこう。
Allen Thompsonはテネシー州ナッシュヴィルを拠点に活動するSSWで、現在26歳(と言うと、私と同級か一歳上ぐらいか)。本作のリリースは今年なのだが、クレジットを見ると、録音自体は2006年8月に行われていたらしい。全編ライヴ形式での録音で、プロデュースは、Sea Levelのギタリストで知られるJimmy Nallsが担当。当然ながらNallsは演奏にも参加するのだが、彼の他に元Allmans Brothers BandのJack Pearsonがギター・マンドリンで参加している。その他に、ほぼ全編で鳴っている鍵盤を担当したのはDennis Wage(Walt Wilkinsや彼のプロデュース作品への参加が、最近は多いか)、ペダルスティール・ドブロにTony Paoletta(Ted Russell Kampの近作2枚や、Dixie Chicksの作品に参加だったか)。また、ドラム2名・ベース4名と、ライヴ形式での録音ながら、全編を同一の編成で録音した訳ではないようだ。
Bonnie Bramlettとのデュエット曲であるM8「Lonely Boy's Blues」あたりは、演奏や展開もベタベタなのですが、何か妙に惹かれるものがある。彼の歌唱に見て取れる黒人音楽からの影響と、直情的ともとれるヴォーカルスタイルが、上手い具合に作用しています。まあ、いかにもChuck Leavellが好きそうな感じですよ(笑)。
さておき、良くも悪くも70年代音楽の影響下から脱しきれていないというのは否定出来ないだろうが、ソングライティングに光るものを感じるのは、私だけではないと思う。おまけに、TVZの「Waiting Around To Die」がライヴのレパートリーだったりと、こちらの心を絶妙にくすぐってきますよ(笑)。