Gilkyson Brothers

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Eliza Gilkyson

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Eliza GilkysonのRed House Records移籍後、通算5枚目のスタジオ作(ライヴ盤を含めると6枚目か)。プロデュースは、Mark Hallmanが担当。バックは、ベースにGlenn Fukunaga、ドラムに息子Cisco Ryderというリズム隊の編成は変わらず、そこに鍵盤としてJulie Wolfが加わる。ギターはMike Hardwick・David Grissom・John Inmon・Robbie Gjersoe・Robert McEnteeといった面子が曲によって登板する訳ですが、やはり何と言っても、一部で共演が渇望されていた弟Tony Gilkysonが4曲ながら、遂に参加という点は見逃せない。その他ゲスト陣は、Elana Jamesがフィドル、Rich Brothertonがシターンなどで参加。
気になる中身は、口笛とホーンセクションが印象的なオープニングトラック「Emerald Streeet」を筆頭に、ラヴソングの体裁やポップな曲調で巧妙に偽装しつつ、その実、胸を抉り取るポリティカルソング集という空気を漂わせる。
虐待を受けた少女の物語が語られながらも(児童ポルノやら、その辺の話も噛んでるような気が)、Rob Gjersoeのスライドをフィーチャーしたライトな曲調のM6「Dream Lover」なども、それを顕著に物語っているのではないでしょうか。
しかし、ミクロな視点のみに囚われる事なく、Elizaによる荘厳なピアノの響きも相俟って、さながらゴスペルの趣を見せるタイトルトラック「Beautiful World」では、人は過ちを犯し、それでも尚世界は美しいと言葉を吐き出す。
美しい世界で繰り広げられる喧騒、それらを切り取るElizaのソングライティングは、何かが降りていると言いたくなる程に、文句の付けようのない完成度で迫る。