Robyn Ludwick

Too Much DesireToo Much Desire
Robyn Ludwick

Late Show 2008-05-20
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オースティンの女性SSW、Robyn Ludwickの2nd。現在はベース奏者のJohn Ludwickと結婚し、ファミリーネームも変わっているが、彼女の旧姓はRobison…この周辺の音楽が好きな人ならピンと来るだろうが、Bruce Robison・Charlie Robisonの実妹が彼女。ステージネームとして旧姓のRobisonを使うという手段もあったはずだが、それをしなかったのは、彼女の決意というかアティテュードの表れではないだろうか。
プロデュースは旦那とMike Hardwickとの共同名義(奇縁と言うべきか、Hardwickと言えば、JDGとつるむ以前は、Kelly Willisのバックバンドメンバーだったんだよなぁ)。レコーディングは兄BruceのスタジオPremium Recording Serviceで行われている。コアメンバーは前述のプロデューサー2名に、ギターにAndrew Nafziger、ドラムにEddie Cantuを加えた4名(後者2人は、Bruce Robisonの近作に参加しており、おそらくその人脈からの起用と思われる)。鍵盤にMichael Ramos・Stefano Intelisano、マンドリンにはWarren Hood・Rich Brotherton・Matt Slusher、ペダルスティールにKim Deschamps、バックヴォーカルにはBruce・Charlieはもとより、Eliza Gilkysonも名前を連ねる(Elizaの参加は、Hardwick人脈かな)。
どうしても、その声質などから、Lucinda Williams以降の女性SSWという文脈で語られるのは避けて通れないだろう(でも、日本の、とりあえずLucindaって言っとけ的な乱暴な切り口はどうかと思うけど)。しかし、喉元で微かに震えるようなLudwickの歌声は、決して幸せとは言えない女性達の恋情が綴られた物語の中を生きる、虚勢を張りながら脆さを内包したオンナ達の代弁者のように響く。それは、やはりLucinda Williamsがどうこうという物でもなく、ましてやBruceやCharlieの妹だからというものでもない。Robyn Ludwickという一人の女性SSWの確かな魅力が為せる業なのではないかと。