Scrappy produce work

buppy2008-03-01

Jenny Reynolds 『Next To You』

本人のオフィシャルでもまともにアナウンスされていないぐらい、密やかにリリースされたJenny Reynoldsの2nd。前作『Bet On The Wind』は、マサチューセッツでの録音で、Catie CurtisやDuke Levineといった東海岸のミュージシャンとの共同作業の中で生み出された。同作はボストンミュージックアウォードにも選出され、彼女のSSWとしての魅力が、形として評価された格好になった。程なくしてテキサス州オースティンへと移住した彼女の、同地のミュージシャンを起用した初のスタジオ作品となるのが本作。
リリース情報というか、一枚噛んでいる人間の情報は知り合いの方から聞き及んでいたので期待していたが、さすがにScrappy Jud NewcombとMark Addisonの両名のプロデュースという(正確には、Reynoldsを含めた三者共同名義となるが)。バックは、収録曲中2曲を除きScrappyがギター(1曲でマンドリン…誰に借りたんでしょう:笑)、Glenn Fukunagaがベース、ドラム・パーカッションはRob Hooper(Seth Walker・Colin Gilmore・Ana Eggeの作品辺りで名前を見た記憶が)とLuke Ayres(こちらは、あまり馴染みが無い名前)の2名、鍵盤・ブズーキ・バラライカにMark Addisonというのが、中心メンバー。ゲストとしてRuthie Fosterが2曲でバックヴォーカル、Ian McLaganが1曲でウーリッツァー、Warren Hoodフィドルで1曲という按配。
収録曲はオリジナルを中心に2曲のカヴァーを含む全11曲。1曲はビートルズの「I'm Looking Through You」を少しばかりジャズ風味な演奏で聴かせる。しかし、そちらより耳を捉えるのは、他人がやるのは珍しいScrappyの「Night Of The Arrival」です。Reynoldsの沸点の低い歌声と、マイナー調の本曲との相性は良く、あの声と切り離せないところが魅力のScrappyの曲を上手く捌いてます(バックに作者本人もいるし当然か)。続く12弦の音色が眩しいM6「Exhale」への流れは、言いようも無く自分の琴線をかき鳴らす。
Caroline Herringと言い、今年はオースティンメイドの女性SSWの作品がキテます…同意してくれる人は少ないかもしれないけど(笑)。