Sam Bakerを聴く

buppy2007-12-07

Sam Baker 『Live @ Paradiso 12/01/07』

ここ最近2公演程仕入れたSam Bakerのヨーロッパツアー音源をダラダラと聴く。12/1オランダでのライヴ音源。アコースティックギター・ハーモニカ・言葉を噛み締めるようなSam Bakerの歌声、正に彼の真骨頂とも言えるソロでの弾語りは、他の要素を一切必要としない魅力を溢れさせる。
本公演では、「St. James Infirmary Blues」「We Shall Overcome」「Down By The Riverside」といったゴスペル・アメリカントラディショナルをカヴァーとして取り上げているが、そこには彼の世界観の構成要素を垣間見る事が出来て、非常に面白い(この公演のオープニングを飾る2nd収録曲「Slots」には、ゴスペル「Jacob's Ladder」の歌詞・メロディが拝借されている訳で、それなりに窺い知れてはいたものの)。まあ、慣れ親しんだ楽曲に着想を得て、そこから新たに曲を生み出すというのは、それこそ連綿と続く行為なので、今更目新しい訳ではありませんが・・・しかし、その剽窃に対する必然を持ち得るソングライターは、数少ないのではないかとも思う訳でして。
個人的なハイライトは、アンコールで演奏した「Down By The Riverside」。TVでクリスマス時期になるとお祭り騒ぎのように歌われる反戦歌には感じ得ない激しく胸の奥に突き刺さる意志。テロリズムの犠牲者が全てを超えて語る「I ain't gonna study war no more」のフレーズが、いやに沁みるんです。
まあ、結局何ですかね、訳知り顔で今の音楽を語る前にSam Bakerを聴こうって事です(笑)