Brian Keane

buppy2007-08-08

Brian Keane 『I Ain't Even Lonely』

サウスキャロライナ出身、その後ニューヨーク・ボストン周辺を音楽活動の拠点とし、ある時はカフェのハウスバンドで鍵盤奏者として、ある時はグラスバンドRed Roosterで鍵盤・ベース・バンジョー・シンガー等をこなすマルチプレイヤーとして活動、現在はオースティンをベースに活動するSSW、Brian Keaneの2005年リリースのデビュー作。彼が何故オースティンへと移動したかは定かではないですが、ニューヨーク時代から交流があったであろうColin Brooksが同地へと移っていた事、Townes Van Zandtの活動していた土地である事は少なからず関係しているかもしれません(本作ではZandtの「Flyin' Shoes」から断片的に詞を拝借し、「It's Been A Long Day」なんて曲までやっているぐらいですし)。
作品自体は、オースティンのローカルヒーローJon Dee Grahamの「An uncomfortably good songwriter」の言葉通り、気ぃ悪いぐらい良い曲が並んでいます。個人的には、シンプルな演奏に、Will Taylor擁するストリングカルテットを絡めた、どうしようもなく感傷的な「It's Been A Long Day」や、Guy Forsythとのデュエットで聴かせるTom Waitsの「Anywhere I Lay My Head」辺りに惹かれるものが。プロデューサーのEldridge Goinsの人脈からか、Papa Maliがオムニコード、Carolyn Wonderlandがバックヴォーカルと、ある筋には豪華編成かもしれない。Colin Brooksもドブロ・ラップスティール・エレキと、バンジョーを除く演奏可能楽器を総動員しての参加で、良い仕事してます。
現在は、昨年まで在籍したThe Band Of Heathensから脱退し(正式メンバーでなくなっただけかもしれませんが)、再びソロとしての活動を本格化。今年の秋にソロ作品のリリースを予定しているようです(でも、リリースレーベルはHeathensと同じFat Caddy Recordsなんだよなぁ…)。