buppy2009-12-12

Shelley King 『Welcome Home』
Bow Thayer 『Shooting Arrows At The Moon』
Star & Micey 『S.T.』
The Divorcees 『Last Of The Free Men』
Jason Haywood 『Nothing Stays The Same』

Shelley Kingの最新スタジオ作『Welcome Home』がリリースされました。年明け早々に、本作を引提げて、Carolyin Wonderlandと共に2度目の来日公演も控えているとの事です。
本作を語る上で避けて通れないのは、John Magnie・Tim Cook・Steve Amedeeの三者がプロデュースから演奏まで、作品に全面参加しているという点でしょう。要は、Tommy MaloneとJimmy Messaを除くThe Subdudesのメンバーが参加している訳でして。歌う事と演奏する事のツボを心得た親父連中が、嘘でもお世辞でもなく最高のサポートを披露しているのです(相変わらずJohn Magnieは仙人めいた風貌で、怪しさ爆発してますが)。
スタジオ盤で陥りがちなのは、窮屈に箱の中に押し込めたように、歌声の持つスケール感を押し殺してしまう事だと思うのだけど、本作においては、そんな事は杞憂です。アコースティックギターアコーディオンの音色に導き出されるように始まる「Summer Wine」の、ユッタリと流れる空気を纏った演奏に、ドッカリと根を下ろしたShelley Kingの歌声に抱く高揚感と言ったら。
Shelley Kingの魅力というのを言語化しようとするなら、ただシャウトするだけでなく、曲においての緩急というか、魅せるポイントでの魅せ方の旨さとでも言えば良いのでしょうか。そこに、The Subdudesのメンバーとの邂逅が産んだ、ミックスアップの成果が付加された本作は、彼女のキャリアにおいても最高傑作と言えるんじゃないでしょうか。