American Central DustAmerican Central Dust
Son Volt

Rounder 2009-07-07
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Live from Austin TexasLive from Austin Texas
Drive-By Truckers

New West 2009-07-07
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429 Records 2009-06-02
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さして期待していなかった、と書いてしまうと、どうも語弊があるような気もする。再結成以降の、ソニーからリリースしたSon Volt名義の作品は、時代に必死にしがみつこうとするJay Farrarのように見えてしまい、私には違和感を抱かせた(Jeff TweedyのWilcoで得た成功への焦燥感みたいな物があったのかどうかは定かではないけれど)。
レーベルをRounderに移籍。メンバーも、鍵盤のDerry Deborjaは脱退してJason Isbellのバンドへ参加。替わって、鍵盤からスティールギターまでこなすマルチプレイヤーMark Spnecerを正式メンバーへ迎えている。ギターもスタジオ録音だけに参加して、ツアーにはマトモに参加出来なかったBrad Riceから、Chris Mastersonへ交代。とりわけ、Farrarのソロ活動の多くを共にしたSpencerの加入は、ソロ活動を踏まえた上でのSon Voltのサウンドを体現する人事と言えるのかも。
録音関係はJohn Agnelloの仕切りのようで、そこは相変わらず。実は、今回最大のサプライズはJoe HenryとRyan Freelandのコンビがミックスを担当している事かもしれません。
作品を通して聴くと、40歳を超えたFarrarの現在が浮き上がってくるようです。『Trace』リリース時のような若さ故の衝動(いや、アノ時点でもそんなに若くないのか)は抑制しつつ、静かに、しかし確かに言葉と音を紡ぐ。だから、やっぱりこの人は嫌いになれないんだよな。
Keith Richardsの父親の遺灰をすり潰してコカインと混ぜて吸引したという本気とも冗談ともつかない発言を下敷きにしたM4「Cocaine And Ashes」で見せる、感傷的に響くピアノの旋律と、Eleanor Whitmoreの弦の美しい交錯…そこに重なる艶やかなFarrarの歌声が堪らなく好きなのです。